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2016-06-24

BOOK

とても久しぶりに、本を読む。
ちょっとじめじめする曇った空の下でアイスコーヒーを頼んで。

”運命について思う。
悲しみはある。ないと言えば嘘になる。けれど、悔しさや無念や恨みだけは抱くまい、と自分に言い聞かせる。ひとはそのために、運命のせいにするという知恵を授かったのかもしれない。”
って一節が特にすっと入って来た。

この作家の作品はとても好きだけど、このタイミングでこの気持ちで読んだのはより良かった気がする。
このところの自分のがさがさぎしぎしした、とてもじゃない不健康な精神には、とても心地よくて、優しくて、思わずテラスで泣いてしまうかと思った。
隣では外国人の女性が一人でアイスコーヒーを啜ってた。
氷をストローでくるくるくるくる、何か探してるみたいな感じでくるくるくるくる、ミルク二つにシロップまで入れたいかにも甘そうな外国人好みなアイスコーヒー。その人のところにしおりを落としてしまって、ごめんね、ありがとうって言葉だけ交わした。
小説を読んだあとに書くとなんだか小説みたいな話みたい。
今日はほんとうに久しぶりに心が少しだけ穏やかになった気がする。
本はやっぱり良いな。

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